Meets ACCRETECH User’s Voice - 帝人ナカシマメディカル株式会社 - 東京精密

インタビュー

vol.10 - 帝人ナカシマメディカル株式会社

人工関節や骨接合材料、脊椎等の医療機器の開発や製造、販売を行っている帝人ナカシマメディカル株式会社様に、 東京精密製測定機導入のきっかけやその後の使用感などについて伺いました。

  • 帝人ナカシマメディカル株式会社
  • 帝人ナカシマメディカル株式会社 製造部 部長 清水 裕一様
  • 帝人ナカシマメディカル株式会社 製造部 検査課 課長 宮田 明和様
  • 帝人ナカシマメディカル株式会社 生産技術部 主任 石井 力渡様
  • 1987年に医療分野への進出を開始し、その後、ナカシマプロペラ株式会社の一事業部として医療事業室を設立。1994年に人工関節の販売を開始し、2008年に分社化してナカシマメディカル株式会社に。その後世界で初めての人工膝関節用ビタミンE入り超高分子量ポリエチレン「ブレンド―E」を開発、販売を開始。2015年に帝人株式会社様との資本提携に併せ、帝人ナカシマメディカル株式会社に社名変更。現在は人工関節や骨接合材料、脊椎等の医療機器の開発や製造、販売を行っている。
  • 本社、工場:〒709-0625 岡山県岡山市東区上道北方688番地1号
    https://www.teijin-nakashima.co.jp/

事業概要を教えてください。

清水:人工関節や骨接合材料、そして脊椎固定システムの開発、製造、販売を行っています。人工関節事業では主にリウマチや変形性関節症の患者さんに使用される全置換型のものを開発しており、骨接合材料事業では骨折等の際に骨を繋ぐプレートやスクリュー、ケーブルを開発。そして脊椎事業では脊柱管狭窄症や脊椎すべり症、外傷などの脊椎疾患の際に脊椎固定術に併用することを目的とした脊椎固定システムを開発しています。
人工関節の発祥は欧米で、海外メーカーのシェアが高く製品開発でも先行している部分があります。しかし当社では2010年、人工関節の軟骨に当たる部分であるポリエチレンプレートにビタミンEを添加することで製品の耐摩耗性、耐酸化劣化性を大幅に向上させることに世界で初めて成功しました。まだ発売から年数が浅く、あくまでシミュレーションデータ上ではありますが、一般には10年~15年というところ、20年以上製品寿命を保てるという結果が出ています。

事業概要を教えてください。

海外メーカーとの差別化について教えてください。

清水:海外メーカーは大量生産が主力ですが、我々は多品種少量生産にも力を入れています。手術手技や考え方によって必要となる手術器械の形状や機能が異なるため、一病院一ドクターごとに製品を提供することもあります。そういった先生一人一人の「こういったことを実現したい」というご要望に寄り添ったオリジナル製品の開発を得意としています。
清水:2004年に、真円度測定機を購入したのがお付き合いの始まりです。当時、人工股関節製品の立ち上げを行っており、骨頭の測定のため購入しました。
宮田:骨頭部分は、接合している部品である超高分子量ポリエチレン(人工の軟骨部分)の摩耗低減のために、より真球である必要があり、μm単位まで加工の精度を上げなければならない非常に重要な部分です。そこで東京精密製の真円度測定機を採用しました。その他、骨頭とステムをジョイントさせるための穴の部分については、真円度をRONDCOM 43C、RONDCOM NEXで測ることに加え、真直度をDuraMaxで測っています。RONDCOM NEXは、RONDCOM4 3Cの使い勝手が良かったため、その後継機種ということで昨年導入しました。
骨頭は毎月多くの数を出荷するのですが、RONDCOM NEXを使用すれば一度に9個ほど測ることができるため、一個ずつ計測していた以前と比べてかなりの工数の削減に繋がりました。それに加え、RONDCOM NEXの場合はセッティングさえすれば後は自動で測ってくれるので、その間作業者の手が空くのも助かっています。

海外メーカーとの差別化について教えてください。
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東京精密に期待することはありますか。

宮田:サービスの方に何度かきていただいたことがあり、非常に丁寧に対応していただいという印象があります。また、三年に一度メンテナンスもしていただいており、アフターサービスの面で困ったことはありません。
石井:測定機器の側面から言えば、もっと簡易的にプログラミングができるような製品が欲しいです。現時点ではプログラミングが適宜必要な対象製品は限られていますが、今後そのような製品が増えていった時のことを考えると、真円度測定機だけではなく三次元座標測定機も含め、プログラミングが簡易的にできる製品が欲しいですね。
清水:近年、レーザーを使った非接触測定機が多いですが、私たちが扱っている製品は鏡面のものや、超高分子量ポリエチレンのようにレーザーを吸収してしまうものがあり、そのような非接触測定機では測定ができないということが多いです。体内に埋め込むインプラント製品のため、レーザーでの測定を目的としてスプレーなどの加工をするというわけにもいきません。しかし、やはり非破壊で測りたい。
鏡面や樹脂のものを非接触で測ることができ、かつ形状や粗さが一台で測定でき、更には良否判定までしてくれるなんて装置を造っていただけると嬉しいです。

東京精密に期待することはありますか。

今後の事業展開について教えてください。

石井:人工関節において一番いいのは、患者さんのCTを基にカスタムメイドで作っていくことです。現在はサイズごとに分類された大量生産品が多く流通していますが、最近は国でカスタムメイドが良いという動きが強くなってきています。冒頭でも少しお話ししましたが、私たちは皆さま一人一人のご要望に寄り添ったオリジナル製品の開発を得意としていますので、今後はこういった分野を伸ばしていこうと考えています。そのためにはより精度を追及していかなければなりませんので、これからも東京精密の製品を使いカスタムメイド品を作っていきたいと思っています。

今後の事業展開について教えてください。

東京精密より、対談を終えて

長寿国である日本において、高齢者の方々の健康寿命の延伸という大きな課題を担う帝人ナカシマメディカル様。取材の中で「このような測定は可能か」「こういったことができる測定機器が欲しい」等多くのご要望をいただき、今後の製品改良・開発にとても真摯に臨まれておりました。このような姿勢が、医療製品の中でもより精度を追及されるインプラント製品事業の中での継続・発展に繋がっているのだと感じました。今後も帝人ナカシマメディカル様の製品づくりに寄与できるよう、東京精密は製品開発に取り組んでまいります。

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